主な読み物

主な連載読み物
土に呟きながら・慣行農で生活をしながら、自然農を知り、それを実験していた百姓の物語。 (全35話)
右手を眺めて ・脳出血で倒れ、右半身麻痺、うつ病、統合失調症になってしまった百姓の闘病記。  (全31話)
生まれるということ・SLEに病んだ妻の出産に関する物語。 (全30話)
小さな記憶・幼い頃、他人の家で育てられた謎の記憶。 (全24話)
親父になる 第一部・26歳で子供を授かり、本当の意味での親父になるまでの物語。 第一部。(全25話)
親父になる 第二部・26歳で息子を授かり、本当の意味での親父になるまでの物語。 第二部。(全25話)
親父になる 第三部・26歳で子供を授かり、本当の意味での親父になるまでの物語。新連載(連載中)

2014年4月16日水曜日

11 お袋

10・ 11・ 1213

お袋が親父のところへ逝った。
息子と老人ホームに着いた瞬間に逝った。
延命措置はぜず、安らかに眠るように呼吸が止まった。

併設されている病院からお医者さんが来る。
聴診器をあて、脈を確認し、瞳孔を調べる。

「ご臨終です」
「はい。ありがとうございました」

不思議と悲しさがない。
楽になったのかな? という思いがした。

亡くなったお袋の顔を眺めながら、二晩思い出にふけった。
思い出の中のお袋はいつも笑ってたな。

16歳でシチズンに入社し、親父と出会って結婚して。
俺と二人の妹を生んで育てて。

親父が逝った時の通夜と同じところに納められ。
孫たちに囲まれて朝まで呑み明かし。

そういえば、俺はいつも酒でお袋には勝てなかったな。
いつも俺がつぶされてたっけ。

お袋は痴呆になってたからね。
俺が最後に会った時は、「猛に良く似た人だね」 って言葉だったっけ。

俺の家には仏壇がないけど、本棚に作った親父の遺影の隣にひとつ写真が加わった。



コメントは 掲示板 居酒屋たけ にてお願いします。